企業が採用の内定を出した学生に就職活動を終えるよう迫る「オワハラ」が巧妙化している。研修や懇親会の名目で学生を頻繁に呼び出して拘束し、就活の時間を実質的に奪う動きが目立つ。大学職業指導研究会の池田浩二会長は「オワハラが問題視される中、直接的な強要を避けて遠回しに囲い込む例が増えている」と話す。内定者向けの講習を受けてもらうので、料金として1万円を振り込んでください」。東京都内の男子大学生は4月、内定先の企業からこんなメールを受け取った。資格取得が必要で週に1回、3~4時間の講習が秋まで続く内容だった。内定を辞退した場合は返金されず、違約金の請求もあり得るのでは」と思ったが、人事担当者に問い合わせることはできなかった。